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日清戦争~日露戦争前(明治26~明治36/1893~1903)
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作詞 加藤明勝
作曲 栗林宇一

万朶の桜か襟の色
花は吉野に嵐吹く
大和男子と生まれなば
散兵線の花と散れ

尺余の銃は武器ならず
寸余の剣何かせん
知らずやここに二千年
鍛え鍛えし大和魂

軍旗守るもののふは
全てその数二十万
八十余ヶ所に屯して
武装は解かじ夢にだも

千里東西波越えて
我に仇なす国あらば
港を出でん輸送船
暫し守れや海の人

敵地に一歩我踏めば
軍の主兵はここにあり
最後の決は我が任務
騎兵砲兵共同せよ

アルプス山を踏破せし
歴史は古く雪白し
奉天戦の動きは
日本歩兵の粋と知れ

携帯口糧あるならば
遠く離れて三日四日
曠野千里に渡るとも
散兵戦に秩序あり

退く戦術我知らず
見よや歩兵の操典を
前進前進また前進
肉弾届く所まで

我が一軍の勝敗は
突喊最後の数分時
歩兵の威力はここなるぞ
花散れ勇め時は今

ああ勇ましの我が兵科
会心の友よ来たれいざ
共に語らん百日祭
酒盃に襟の色うつし

歩兵の本領ここにあり
ああ勇ましの我が兵科
会心の友よ来たれいざ
共に励まん我が任務
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作詞 鳥居忱
作曲 滝廉太郎

箱根の山は 天下の険 
函谷関も物ならず
万丈の山 千仞の谷
前に聳え後に支う
雲は山をめぐり
霧は谷をとざす
昼猶闇き杉の並木
羊腸の小径は苔滑か
一夫関に当るや万夫も開くなし
天下に旅する剛毅の武士
大刀腰に足駄がけ 
八里の岩ね踏み鳴らす
斯くこそありしか往時の武士

箱根の山は 天下の阻
蜀の桟道数ならず
万丈の山 千仞の谷
前に聳え後に支う
雲は山をめぐり
霧は谷をとざす
昼猶闇き杉の並木
羊腸の小径は苔滑か
一夫関に当るや万夫も開くなし
山野に狩りする剛毅の壮士
猟銃肩に草鞋がけ 
八里の岩ね踏み破る
斯くこそありけれ近時の壮士
作詞 大和田建樹
作曲 小山作之助

逆巻く波を蹴破りて
怒れる波を突き切りて
車輪を万里に進むべし
新たに世界も開くべし
我が海国のますらおよ
事業は多しいざ行けや

波も具風も黒潮も
慣れれば友よ良き友ぞ
男子生まれて海国の
民となるこそ愉快なれ
行けや開けや人の後
まだ見ぬ国の果てまでも

星は照らして空にあり
羅針は示して船にあり
氷の海に彼とても
破るに何か難からん
我が海国のますらおよ
名誉は遠しいざ進め

底には輝く珊瑚あり
波に浮かべる鯨あり
一度綱を降ろしなば
数万の富も得らるべし
実尽きせぬ海原に
版図を広めいざ民よ
文部省唱歌

誉れの高い日本の兵士
良く気を付けて号令守り
進むを知りて逃げるを知らぬ

我等も今は兵士となるよ
良く気を付けて号令守り
戦に出れば死んでも逃げぬ
作詞 落合直文
作曲 奥山朝恭

青葉繁れる桜井の
里の渡りの夕ま暮れ
木の下蔭に駒止めて
世の行末をつくづくと
偲ぶ鎧の袖の上に
散るは涙かはた露か

正成涙を打ち払い
我が子正行呼び寄せて
父は兵庫に赴かん
彼方の浦にて討死にせん
汝はここ迄来つれども
とくとく帰れ故郷へ

父上いかにのたまうも
見捨てまつりて我一人
いかで帰らん帰られん
この正行は年こそは
未だ若けれ諸共に
御供仕えん死出の旅

汝をここより帰さんは
我私の為ならず
己討ち死になさんには
世は尊氏のままならん
早く生い立ち大君に
仕え奉れよ国の為

この一刀は去にし年
君の賜いしものなるぞ
この世の別れの形見にと
汝にこれを贈りてん
行けよ正行故郷へ
老いたる母の待ちまさん

共に見送り見返りて
別れを惜しむ折からに
またも降り来る五月雨の
空に聞こゆる不如帰
誰か哀れと聞かざらん
憐れ血に泣くその声を
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