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日清戦争~日露戦争前(明治26~明治36/1893~1903)
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作詞 落合直文
作曲 不詳

一日二日は晴れたれど
三日四日五日は雨に風
道の悪しさに乗る駒も
踏み煩いぬ野路山路

雪こそ降らぬ冴えかかる
嵐やいかに寒からん
氷こそ張れこの朝
霜こそ起けれこの夕べ

ドイツの国も過ぎ行きて
ロシアの境に入りにしが
寒さはいよよ勝りつつ
降らぬ日も無し雪霰

寂しき里に出でたれば
ここはいずこと訊ねしに
聞くも哀れやその昔
滅ぼされたるポーランド

かしこに見ゆる城の跡
ここに残れる石の垣
照らす夕陽は色寒く
飛ぶも寂しや鷓鴣の影

栄枯盛衰世の倣い
その理は知れれども
かくまで荒るる物としも
誰かは知らん夢にだに

存亡興廃世の倣い
その理を疑わん
人は一度来ても見よ
哀れ儚きこの所

咲きて栄えし古の
色よ匂いよ今いずこ
花の都のその春も
真一時の夢にして
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作詞 鈴木重嶺
作曲 芝葛鎮

天津日向の際限無く
天津璽の動き無く
年の初めに皇神を
祭りますこそ畏けれ
四方の民草打ち靡き
長閑けき空を打ち仰ぎ
豊栄昇る日の御旗
立て祝わぬ家ぞ無き
作詞 不詳
作曲 不詳

ああ尊しな大勅語
勅語の趣旨を心に刻みて
露も背かじ朝夕に
ああ尊しな大勅語
作詞 不詳
作曲 不詳

寒潮流る北の海
敷千の島は羅列せり
朔風雪を巻いて吹き
激浪岸を打って鳴る
いと物凄き千島灘
これぞ北門鎖鑰なる
島は荒れ果て磯は寂し
漁民の状態はいと哀れ
漁具も揃わぬ丸木舟
僅か磯辺を漕ぎ回り
立つる煙は糸のごと
行く末いかに暮すらん

沖辺に見ゆる黒船は
乗り込む人も沢なるに
漁獲る具さえ取り揃い
保護の無きを幸いに
漁民の微弱を幸いに
無数の島を回航し
ここにかしこに漁労しつ
船を繋ぎて高鼾
アザラシアシカオットセイ
その収穫を襲い断つ
悪しきはかの密漁船
憐れむべきはこの漁民

誰か遺憾に耐えるべき
そを打ち捨てて置くからに
大尉はこれを救わんと
六隻のボート浮かべつつ
百二人の老水夫
そを引き連れて北海の
千島諸島に船を寄せ
出没自在に跋扈せし
密漁船を追い払い
ここに拓殖の計を立て
国の富強を計るなる
北の鎖鑰を堅むなる
その門出の勇ましき
大尉の行くぞ頼もしき
作詞 不詳
作曲 不詳

日本男児の誉れなる
郡司大尉の企みは
百と有余のつわものを
七隻のボートに乗り込ませ
千里の波濤を蹴破って

日本の北のその北の
千島の果ての占守島
極寒凛冽無人の地
千苦万苦の功績で
殖民拓地の実を挙げ

北門鎖鑰堅くなし
狡猾外奴の密猟や
海外諸国の蔑りを
防いで国威を示さんと
忠勇義胆の挙動を

叡慮に協いて帝より
降し賜る勅語にて
報交議会と名も高く
海を隔てて四百余里
向こうの岸には鷲の旗

こちらの岸には日の丸の
国旗堂々靡かして
富国強兵の基を立つ
実に満足慶賀の至り
実に満足慶賀の至り
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