作詞 不詳
作曲 不詳
あの成歡の戦いは
さして大戦ならねども
知らぬ敵地は岩も樹も
皆死の伏せる所なり
我が進みたる一尺の
土地の命の値ぞや
草に置くなる露さえも
色紅に染めなせし
肉あり血ある人の身の
躊躇いやすき弾丸の雨
鉾の稲妻死の叫び
筒の響きのその中に
その音も猛く吹きしきる
喇叭の号令進めや進め
我が喇叭手の源次郎
小高き丘に登り立ち
降り来る弾丸も数知れぬ
敵の方だに見返らぞ
目を隊長に注ぎつつ
またも号令進めや進め
山より落つる瀧の瀬が
我が進撃の弾剣
敵は得堪えで崩れたり
我が軍隊の働きは
黄金求めん為ならず
名誉の為ぞ国の為
身は小なれど肝は大
再び起こる進撃の
号令末だ半ばにて
進めや進めの音消えぬ
いかにせしぞ源次郎
息切れせしかと返り見れば
足よろめきて唇は
なおも喇叭に接しつつ
進め進めの音は絶え絶えに
喇叭に伝う唐紅
彼斃れたり人々よ
心の色は熱血は
朱に喇叭を染めにけり
身は死すとてもますらおの
面は敵に向かいたり
汝名誉の戦死せり
岡山県下船穂村の
住人たりし源次郎
我が大君の御為ぞや
皇御国の御為ぞや
作曲 不詳
あの成歡の戦いは
さして大戦ならねども
知らぬ敵地は岩も樹も
皆死の伏せる所なり
我が進みたる一尺の
土地の命の値ぞや
草に置くなる露さえも
色紅に染めなせし
肉あり血ある人の身の
躊躇いやすき弾丸の雨
鉾の稲妻死の叫び
筒の響きのその中に
その音も猛く吹きしきる
喇叭の号令進めや進め
我が喇叭手の源次郎
小高き丘に登り立ち
降り来る弾丸も数知れぬ
敵の方だに見返らぞ
目を隊長に注ぎつつ
またも号令進めや進め
山より落つる瀧の瀬が
我が進撃の弾剣
敵は得堪えで崩れたり
我が軍隊の働きは
黄金求めん為ならず
名誉の為ぞ国の為
身は小なれど肝は大
再び起こる進撃の
号令末だ半ばにて
進めや進めの音消えぬ
いかにせしぞ源次郎
息切れせしかと返り見れば
足よろめきて唇は
なおも喇叭に接しつつ
進め進めの音は絶え絶えに
喇叭に伝う唐紅
彼斃れたり人々よ
心の色は熱血は
朱に喇叭を染めにけり
身は死すとてもますらおの
面は敵に向かいたり
汝名誉の戦死せり
岡山県下船穂村の
住人たりし源次郎
我が大君の御為ぞや
皇御国の御為ぞや
作詞 小笠原長生
作曲 不詳
雲か霞か凄まじや
砲煙海を閉ざしつつ
秋の日影も朧なり
入り乱れたる敵味方
合わせて二十八艦の
中にも目立つ松島は
定遠鎮遠打ち望み
真一文字に進みたり
艦の上にきっと立ち
剣打ち振り声限り
撃てや撃てよと令かくる
まだ年若きもののふの
その名を聞けば志摩大尉
猛く雄々しき波とても
物の哀れは知るなかれ
君恩重く身は軽き
忠義の二字に父母も
妻子も後に振り捨てつ
ただ敵軍を破らんと
鋭き眼見開きて
睨みつめたる定遠の
三十サンチの弾丸は
無残や百余の兵士は
骨肉微塵に飛び散りて
前後左右に倒れたり
大尉は鮮血を浴びつつも
更に恐るる気色無く
いで我が部下の仇をば
取りて忠義の魂を
慰めやらんと続け撃ち
釣瓶かけたる勢いに
さすがに堅き定遠も
火災を起こし逃げ行くを
なおも追い撃つ時も時
またも飛び来る一弾は
撃たれて大尉は波の中
浮きつ沈みつ流れ行く
されども鍛えし鉄石の
大和心の一筋に
御国を思う外は無く
片手を上げて軍帽を
高く打ち振り叫びたり
日本帝国万歳と
この一言を名残にて
彼は儚くなりにけり
艦に残りし人々は
大尉の最期を眺めつつ
日本武士の鑑ぞと
今も語り伝えぬる
かかる忠義の人々が
一心凝りて敵軍は
破れ砕けて影も無く
旭の御旗輝けり
作曲 不詳
雲か霞か凄まじや
砲煙海を閉ざしつつ
秋の日影も朧なり
入り乱れたる敵味方
合わせて二十八艦の
中にも目立つ松島は
定遠鎮遠打ち望み
真一文字に進みたり
艦の上にきっと立ち
剣打ち振り声限り
撃てや撃てよと令かくる
まだ年若きもののふの
その名を聞けば志摩大尉
猛く雄々しき波とても
物の哀れは知るなかれ
君恩重く身は軽き
忠義の二字に父母も
妻子も後に振り捨てつ
ただ敵軍を破らんと
鋭き眼見開きて
睨みつめたる定遠の
三十サンチの弾丸は
無残や百余の兵士は
骨肉微塵に飛び散りて
前後左右に倒れたり
大尉は鮮血を浴びつつも
更に恐るる気色無く
いで我が部下の仇をば
取りて忠義の魂を
慰めやらんと続け撃ち
釣瓶かけたる勢いに
さすがに堅き定遠も
火災を起こし逃げ行くを
なおも追い撃つ時も時
またも飛び来る一弾は
撃たれて大尉は波の中
浮きつ沈みつ流れ行く
されども鍛えし鉄石の
大和心の一筋に
御国を思う外は無く
片手を上げて軍帽を
高く打ち振り叫びたり
日本帝国万歳と
この一言を名残にて
彼は儚くなりにけり
艦に残りし人々は
大尉の最期を眺めつつ
日本武士の鑑ぞと
今も語り伝えぬる
かかる忠義の人々が
一心凝りて敵軍は
破れ砕けて影も無く
旭の御旗輝けり